大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和42年(ネ)11号 判決

しかしながら、訴外サンウエーブ工業株式会社につき会社更生法による会社更生手続が開始され、管財人が選任されている現在、株主である控訴人はもはや本件代表訴訟を提起し、または、既に提起した代表訴訟を追行する権限を有しないとして控訴人の本件各請求を却下した原判決は正当である。その理はつぎに附加するほか原判決理由と同一であるから、これを引用する。

一 株主の代表訴訟は、元来会社が取締役に対する責任追及の訴を提起しない場合に限り認められるものである。そうであれば、更生管財人において遂行中の取締役責任追及の訴が更生手続終了により会社において受継され、株主がこれを受継する余地がないからといつて、株主の権利を不当に侵害するものとはいえない。

二 商法二六七条の株主の代表訴訟権は、取締役や監査役らとの間の特殊な関係から会社が取締役らに対する責任追及を怠るという弊害を予想して設けられた制度である。しからば、裁判所の選任にかかり、その職務の遂行につき裁判所の監督の下にある更生管財人は、その職務の遂行に十全を期待することができるから、その在職中は株主に前記代表訴訟権を与える必要がなく、会社更生法の趣旨をこのように解釈したからといつて、憲法二九条や同一四条に牴触するものではない。

(岡部 川添 坂井)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!